「自転車くらいで何ができるの?」そう思う方もいらっしゃるかもしれません。けれども、燃料不要でコンパクト、ほとんどの人が運転できる自転車は、いろいろな可能性を秘めています。社会貢献というと難しく考えがちですが、自転車に乗ること自体が社会のためになるのです。
しかも、私たちが楽しんで乗っていることが誰かのためになるって、素晴らしいことだと思いませんか。
人力で動く自転車は、当然ながら燃料のいらないエコな乗り物。大気汚染や地球温暖化などにつながるCO2を排出しない、理想的な乗り物です。
調査によると、利用されている車の約4割は5km未満の移動だそうで、それなら自転車でも十分に役立ちそうです。家庭から出されるCO2排出量の約23%が乗用車の使用によるものですから、「ちょっとそこまで」と車のキーを手にする前に考え直してみませんか。
あるのが当たり前のように思ってしまいますが、実は地球上で確認されている採掘可能な原油の埋蔵量は、約1兆2000億バレル(2005年時点)。富士山を逆さにして器に見立てると、約13.4%しか残っていないのです(平成19年度環境省資料より)。
私たちが少しの労力を惜しまないことで、子どもたちの世代に大切なエネルギーを残してあげることができる。そう考えると、ペダルをこぐ足も軽くなりそうです。
人口の4人に1人が65歳以上の高齢者(2013年時点)となった日本。超高齢社会と聞くと、社会保障費の増加や介護負担、生産年齢人口の減少など、マイナスイメージばかりが先に立ちます。けれども、高齢者のすべてが社会の負担になっているかといえば、決してそうではないはず。健康で多くの知識と知恵を提供できる高齢者が増えれば、日本の競争力も異なってくるでしょう。
自転車をこぐ運動は、起き上がったり立ちあがったりするための筋肉(大腿筋や腸腰筋)を鍛えます。
脂肪を分解して燃やすためには、十分な酸素を取り込める有酸素運動が効果的。しかも、運動開始から約20分ほどしてから脂肪が燃え始めるため、継続して運動できる自転車は効果的といえます。
ウォーキングなどに比べると、自転車をこぐ運動は血流速度を簡単に上げることができるため、健康のバロメーターでもある血管年齢を若く保つ運動として注目されています。
過去の大きな震災のときに、活躍したのが自転車でした。道幅が狭くなったり渋滞して交通網が麻痺したときでも、自転車なら身軽に移動できます。
実際に東日本大震災の後に岩手県、宮城県、福島県でアンケート調査をしたところ、約9割が有用だったと答えています。(公益財団法人JKA「被災地における自転車の新たな役割と可能性を探る実態調査報告書」平成24年度より)
また、災害時の備えとして用意しておきたいのは、タイヤの空気入れや簡易式のパンク修理セット。路面の状態が悪いのでパンク修理の道具をもっておくか、もしくはリペアムゲル加工を施したパンクレス自転車を普段使いにしておくのも良いかもしれません。
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