街中を颯爽と走るロードバイクを見かけることが増えました。人気マンガ「弱虫ペダル」の影響や、健康にも環境にも良いことから、通勤に自転車を使う方が増えたことも理由のひとつでしょう。
しかし、ロードバイクに乗る方が増えることは良いのですが、残念ながら交通ルールやマナーを知らずに走る人が増えていることも事実です。
それは自転車を車両だということを忘れている、もしくは知らないことが原因ではないでしょうか。
自転車が車両だと認識していれば、標識を無視し、交通ルールを守らずに走ることがどれだけ危険な行為か理解しているはずだからです。
このコラムでは自転車が車両であるということをふまえ、安全・快適にロードバイクに乗るために知っておくべき、6つの交通ルールをご紹介していきます。
冒頭で述べたようにロードバイクや自転車は車両です。道路交通法でもそうですし、自転車に乗る人の意識としてもそうあるべきです。だから自転車は車道を走らなければなりません。歩道を走って良いのは、車道を走ると危険な場合や、子どもや老人に対する例外的措置。
ですから、車道を走る際には車と同じ進行方向、つまり左側通行が絶対です。
たとえば、20km/hで逆走している自転車と、40km/hで走る自動車が正面衝突すると、20+40=60、60キロで壁に衝突したのと同じ衝撃になります。逆走はすぐ横を反対から走ってくる自動車が通っているわけですから、その分危険が大きくなるのです。
逆走をしないことはあなた自身を守ることにつながります。走りたい道を好きなように走るのではなく、進路に従って正しく走りましょう。
車道の左端走行を守ろうとすると、左折専用レーンを走らないといけなくなることがあります。このときも、直進レーンに移るのではなく、あくまでも左端を走るようにします。これは自動車の交通ルールと違う部分なのでご注意を。
「2.左折レーンの場合でも直進可」と同様に、自転車特有の交通ルールです。車道を走っていて交差点で右折したい場合。右折の車線があってもなくても自動車と同じようには右折せず、目の前の信号を直進します。その後、渡った先にある対面の信号に従って進むのが、正しい方法。交差点では、安全に正しく右折しましょう。
ロードバイクや自転車に限らず、乗り物において大切なパーツは何でしょうか。もちろんブレーキ。止まりたいときに止まれないということは、自ら危険に突っ込んでいくのと同じです。
効き過ぎる、効きが悪くなった気がする、変な音がする、不調を感じたら、すぐに近くの自転車屋さんで見てもらいましょう。
イヤホンを着用しながらの自転車の運転は、法律で禁止されているわけではありません(地域によっては条例違反となる場合あり)。だからといって、イヤホンをしていい理由にはなりませんし、周囲の音が聞こえづらくなったり、注意力が散漫になることも実験で分かっている、とても危険な行為です。
ロードバイクはスピードが出るため、一瞬の油断が思わぬ事故につながります。好きな音楽を聞くと気分は良いかもしれませんが、意識が音に集中してしまうと注意力散漫となり大変危険。法律違反かどうかよりも自分や周りへの安全が第一です。
せっかくスピードの出せるロードバイクに乗ったのだから、より速く走りたい。その気持ちはわかります。しかし、それは自動車や歩行者が行き交う街中で求めるべきものではありません。
それに、日本は自転車用レーンの整備がまだまだ整っているとは言えないので、生身の体をさらしながら自動車と同じ道を走っているということを、決して忘れないでください。イヤホンの着用と同様に、法律で速度制限されているわけではありませんが、事故に巻き込まれない、事故を起こさないためにもスピードの出しすぎには注意しましょう。
ロードバイクを買おうか迷っているとき、乗りたての頃、そのどちらもついつい楽しいことばかり考えがちです。新しい自転車を格好良く駆る自分をイメージしてみたり、カタログを眺めてニヤニヤしたり。
でも、その前にもう一度心に刻んでほしいことがあります。それは自転車が車両であるということ。
もし交通ルールを無視して乗り始めたら、遅かれ早かれロードバイクの先輩方に声をかけられるでしょう。
ルールを守れ、と。自転車を愛する人は、交通ルールにも厳格。なぜなら、自転車が車両と同じ危険な乗り物になる可能性があることを知っているし、皆が理想に近づいてほしいと願っているから。
あなたがこれから自転車を愛して乗り続けるのなら、ルールを守り、他人にもアドバイスできる存在になってください。
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